もう一人の私に出会った夏
掃除が一通り終わり、みんなは一階で買ってきたジュースを飲んでいた。

千歳は一人、二階でゴロゴロと横になっていた。

友達の事は考えないようにしよう。

そう思えばそう思うほど、あの時の記憶がよみがえってきた。


千歳は、小さい頃から習っているスイミングを、まだ続けていた。

学校でも、代表に選ばれるくらいの実力もあった。

そして、大会でリレーの選手、しかもそのキャプテンに選ばれた。

「ママ、ママ。」

千歳は学校から帰って来ると、嬉しそうに母に報告した。

「私ね、リレーの選手に選ばれたんだ。」

「ええ!本当に?よかったわね。」

「それでね、キャプテンにも選ばれたんだ。」

千歳はウキウキだった。

「すごいじゃないか!さすがちいの実力、受け継いでるんじゃないの?」

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