もう一人の私に出会った夏
その日の夕方、二度目の地震がやってきた。

「わっ!」

倒れそうになった風羽を、千早が支えた。

「大きいぞ、つかまれ。」

緋呂の言葉にみんな、木につかまった。

揺れは一分ぐらい続いて、静かに終わった。

「おさまったな……」

水希が緋呂を見た。


緋呂は難しい顔をしている。

「緋呂?」

「おかしい……」

「何が?」

水希はキョトンとしながら聞いた。

「こんなに、大きな地震が立て続けに起こるなんて。」

水希と千早は、目を合わせた。

「地震なんてのは、自然現象なんだからさ。たまには重なることもあるんじゃ……」


「確かに。だけど元々自然現象は、八百万の神が起こしているものなんだ。」

「もしかして、何だ?地震の神っていうのも、いるのか?」


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