【コンテスト用シナリオ】地味カレ、夜はNO.1ホストさま!?〜この恋、背負い投げで一本勝ち〜

〇大学・文芸部部室・放課後
ト書き:
文芸部の部員たちが小春の“ホスト短編”の感想を語り合っている。
部員A「マジであのホスト、ヤバい。普通に落ちるわ」
部員B「でもヒロインが“恋しちゃいけない”って自分にブレーキかけるのもリアルでよかった!」
部長「てことで、続編よろしく〜!」
小春「……へっ?」
部長「“その後どうなったの?”って声が多数です! 連作短編でいきましょう!」
小春「(カァァ……)う、うれしいけど、ハードル高っ……!」

〇大学・図書館・夕方
ト書き:
静かな図書館。小春が資料を探していると、奥の席にうたた寝している蓮を発見。
小春「……先輩?」
ト書き:
そっと近づくと、机の上にはノートPCとプリントアウトされた原稿用紙。
一番上には、小説賞へ応募する表紙もついている。
小春(モノローグ)
(これって……小説?)
ト書き:
好奇心に負けて、数枚ペラリと読む小春。
タイトルは『詩的に君を壊したい』。文章は緻密で、でも切実で――
小春(モノローグ)
(これ……先輩が書いたの? すごく、いい……)
ト書き:
蓮がうっすら目を開け、はっとする。
蓮「……読んだ?」
小春「あ、す、すみません!! 寝てると思って……」
蓮「……誰にも、言わないでくれ」
ト書き:
その声は、いつもよりずっと素の蓮だった。
小春「わたし、誰にも言いません。でも――」
「また、ホストクラブの取材、させてくれたら、黙ってます!」
蓮「……それ、脅迫って言うんだよ」
小春「うふふ。悪い女ですよ、わたし」

〇ホストクラブ・夜・週末のにぎわい
ト書き:
照明がゆらめき、店内は客で満席。
小春は予約して入店するが、レンは奥のVIP席で接客中。
スタッフに促され、別席で待つことに。
スタッフ「本日はNo.2のご指名ですね。レンはただいま接客中ですので――」
???「だったら、No.1が代わりにお相手しましょうか?」
ト書き:
現れたのは、No.1ホスト・隼人(はやと)。
爽やか系イケメン。どこか“太陽”っぽい軽さをまとっている。
隼人「初めまして、お嬢さん。レンのとこに来る子がこんな可愛いなんて、聞いてなかったなぁ」
小春「え、いや、あの……レン先輩がいいんですけど……」
隼人「えー、僕じゃダメ? ほら、君の瞳、すごくきれいだよ」
ト書き:
グイグイ来る隼人にたじたじの小春。
そのとき――背後から影が差す。
蓮(レン)「……その子、俺の指名客なんで」
ト書き:
低く抑えた声。
振り向いた小春の前に、いつもの冷静さを失ったレンが立っている。
小春「せ、先輩……?」
隼人「おっと、タイミングばっちり。嫉妬? ふふ、若いねぇ」
蓮「……席、変わるぞ。こっちだ」
ト書き:
小春の手を軽く引いて移動しようとする蓮。
その背中に、これまでと違う“熱”が感じられる。
小春(モノローグ)
(……いまの、先輩の顔。ちょっと、こわいくらいに――)
(でも、かっこよかった)

TO BE CONTINUED…
< 6 / 15 >

この作品をシェア

pagetop