スターリーキューピッド
見せてもらったスマホ画面には、ピラミッドのように積み上げられたマッチの箱が映っていた。

1、2、3……6段もある。


「これは、すごいね。見つけた時驚いたでしょ」

「ああ。『嘘だろー!?』ってお父さんと叫んだ」

「ある意味衝撃的イベントだね。ジャンルは違うけど」


災いの予言は外れた一方、友清くんの予言は──。


『AIを使用したフェイク画像による詐欺が多発』

『株式会社〇〇、新たな人型ロボットを発表』


といった報道が、昨晩のニュース番組で流れた。

めちゃくちゃ衝撃的! とまではいなかったけど、彼が口にしていたワードと一致していたので、個人的には、3割的中したとみなしている。

この日を境に、これから数年かけて現実化されていくんだろう。

なにはともあれ、最悪の事態は避けられて良かった。


話に夢中になっていたら、学校に到着。

昇降口で靴を履き替えていると、バタバタと慌ただしく走る足音が聞こえてきた。


「明吾……!」

「美月ちゃん……!」
< 124 / 136 >

この作品をシェア

pagetop