スターリーキューピッド
リスタートムーン
期末テストが終わり、ついに迎えた運命の日──。


「何も起きなかったな」

「災いの、わの文字もなかったもんね」


Xデーの翌朝。明吾と2人で通学路を歩く。

数年前から噂されていた、災いが訪れるという予言。

結果は……いつも通り。普段の日常と変わらず。

事故や事件が起きたり、天気が荒れた地域もあったらしいけれど、世界が大混乱に陥るレベルの出来事は起きなかった。


「美月んとこは、何か買い溜めした?」

「水と、追加で缶詰とレトルトカレーを買った。明吾んちも何か買ったの?」

「マッチとろうそくと、モバイルバッテリー」

「電気対策?」

「そう。充電器はいいんだよ。普段使いできるから。問題はマッチ。何個買ったと思う?」

「うーん……10個?」

「その5倍。二手に分かれたのに同じ物買っちゃって。しかも昨日、物置からも出てきてさ」
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