スターリーキューピッド
曇りのない目。返事も一切戸惑いが見られないから、嘘ではないのだろう。

このまま自首してもらったほうが、警察も学校側も助かるところだけれど……。


「どうして、あんなことしたんですか……?」


なぜ転校する学校にイタズラを仕掛けたのか。

あの公園も、課外授業やマラソン大会で利用する場所。

犯人だってバレたら、通いづらくなるかもしれないのに……。


「この町が、嫌いなんですか?」

「いえっ! 好きです」

「じゃあどうして」

「それは……」


詰め寄ると、バツが悪そうに目を逸らした。

答えたくない、というよりは必死に言葉を探している様子。

逃がさないと言わんばかりに、整ったお顔をじっと見つめる。


「みんなを……から、守るため」

「えっ?」

「実は僕、人間じゃないんです」
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