スターリーキューピッド
スマートマーキュリー
転校初日で校内の注目の的となった、自称水星人こと友清くん。

気さくで人当たりもよく、虚言癖がある部分を除けば、フレンドリーな好青年。

宇宙人でも帰国子女でも、これから先、1人のクラスメイトとして接していければ問題ない。

そう思っていたけれど──。



「……取られちゃってますね」

「ね。興味が湧くのはわかるけど、朝からは勘弁してほしいよね」


あれから2週間。途中で合流した朝佳ちゃんと2人で登校するも、教卓の前で立ち尽くす。

朝佳ちゃんの席には馬場くん、私の席には明吾が座っていて。

その隣では、友清くんがクラスメイトに囲まれていた。


「ないの!? 1回も!?」

「手紙もらったりとか、デートしたことも?」

「うん。遊んだことはあるけど、グループでとか、大人数でしかない」

「多分高嶺の花すぎて近寄れなかったんだよ。陰で絶対モテてたって。バレンタインチョコはもらったことある?」

「あるよ。毎年バラバラだったけど……多い時で100個くらいだったかな」
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