スターリーキューピッド
すると、視界の端で誰かが手を上げた。


『推薦してもいいですか?』

『もちろん。どうぞ』

『委員長は、真中 明吾くんがいいと思います!』


馬場くんの一声で、左隣の彼に注目が集まる。


『え、俺?』

『成績優秀だし、人柄もいいし。前々からやってみたいって言ってたじゃん』


押しつけているようにも聞こえるが、委員会に興味を持っていたのは私も知っている。

小学生の時もよく班長を任されてたし、リーダーの素質は充分あると思う。


『でも、部活があるし……。クラス委員の他にも仕事があるんですよね? 大丈夫ですか?』

『はい。場合によっては休日登校もありますが、基本は昼休みの時間を使ったりと、支障が出ないように配慮するので。放課後に集まる場合は顧問の先生に許可を取るので大丈夫ですよ』

『それなら……』


徐々に表情が和らいでいき、「やります」と笑顔で返答した明吾。

もはやVIP並みの待遇じゃん。先生の許可が下りるなら一安心だね。

あとは──。


『あの、指名してもいいですか?』
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