スターリーキューピッド
『はい、どうぞ』

『美月、一緒にやらない?』


……ん? 今、私の名前が聞こえたような。


『俺、委員長やるの初めてだからさ。組むなら昔から馴染みのある人がいいなって』

『そういえば2人、幼なじみだったな』

『美月ちゃんなら阿吽の呼吸でこなせたりして』


明らかに、私を見て話している。

……ここで断ったら、困らせちゃうよね。

馬場くんは体育委員に決まってるし、朝佳ちゃんも風紀委員を志望してる。

同じ小学校の人もゼロ。頼れるのは、私しかいない。


『無理強いはしないけど……』

『わかった。いいよ』


──という出来事があり、二つ返事で引き受けた。



「「失礼しました」」


ノートを先生に渡し、職員室を後にする。


「手伝ってくれてありがとう。助かった」

「いえいえ。副委員長なんだから当然だよ」
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