スターリーキューピッド
声量は小さいが、声色は自信に満ちあふれている。

完璧ねぇ。そこまで言うなら、試してあげようじゃないの。

場所を地元に設定し、生年月日を入力。
時間はわからないから、不明の欄にチェックを入れて……。


「……もしかして、誕生日?」

「そう! わかる?」

「もちろん。獅子座の、この時間ならまだ7度だったかな」


作成ボタンをクリックすると、先ほどとは少し違った天空図が表示された。

水星のマークを見てみたら……見事、大正解。

うそ、でしょ。星座ならまだしも度数までピッタリなんて……。


「へぇ〜、ふーん、ほぉ〜」

「……な、何?」

「四居さん、面白い性質してるね。おとなしそうに見えて頭が切れる策士だったり、世話焼きでビビリのわりには自己主張は強めだったり」


ふむふむと、画面を見つめたまま、頷きを繰り返している。

所々、失礼な物言いが引っかかるけど……。


「そこまでわかるの……!?」

「言ったでしょ、星座占いの詳しい版だって。他にも、得意分野、チャームポイント、趣味、金運、好みのタイプもわかるよ」


見開いていた目がさらに丸くなり、口があんぐりとだらしなく開く。


「四居さんの場合は……」

「大丈夫! ほら、次いこ! 次!」


画面を閉じ、トップページに戻る。

気になるワードが盛りだくさんだけど……!
これ以上読み解かれたら恥ずかしすぎて挨拶もできなくなっちゃうよ……!

その後、20回ほど試してみたものの、結果は同じく。度数まで完璧に言い当てられたのだった。
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