スターリーキューピッド

シスターオアガールフレンド？

太陽系で最も小さく、太陽に1番近い惑星・水星。

覚え方では最初に出てくる一方で、好きな星として名が挙がることは少なく、人気ランキングでは万年下位と、不憫な立ち位置。

だが、占い業界では、知性・情報・言語を司る星と言われており、現代社会において重要な存在だとされているらしい。



「ごめん、疑って」

「いいって。はじめから信じろってほうが難しいし」


図書室を後にし、階段を下りて昇降口へと向かう。


「町の言い伝えに出てくる星の神様は、実は俺たち惑星のことなんだ」

「たち、ってことは……」

「他にもいるよ。太陽と月を除いた8天体がいて、基本的には、みんな海外や国内を飛び回ってる。今、日本にいるのは、金星と火星と、木星と土星で……」


友清くんいわく、実際に水星に住んでいたわけではなく、元は星を構成する物質の一部だったのだそう。


「理科でいう突然変異ってやつかな。気づいたら意識が芽生えてて、人間に変身できるようになってたんだ」