スターリーキューピッド
ニコッと、バックミラー越しに目を細めたフカガミさん。なんと二回り近くも離れていた。

肌艶いいし、髪もサラツヤだし、20代後半かと……。

だから愛香さんのこと、姪っ子って言ったのか。


「さっきの通り、精神は安定するよ。俺、昔は短気で怒りっぽかったんだけど、鍛え始めてから不思議と減ったんだ」

「性格も変わるんですか!?」

「うん。変わっていく体を見ていくうちに自信がついて、余裕ができたんだと思う。もちろんイラッとすることはあるけど、感情的に怒ることはなくなったかな」


彼の場合、目に見える変化より、内面的な変化が先に現れたのだそう。


「興味があるなら教えようか?」

「いいんですか!? お仕事あるのにご迷惑じゃ……」

「平気平気。いつも運動は仕事の後にやってるから。週末晴れるみたいだし、公園に集まるのはどう? 空いてる?」

「はい。空いてます」

「同じく空いてまーす」

「友清くんも来るの?」

「またいつパシられるかわからないからねー。鍛えといて損はないかなって」


なるほど。荷物持ち対策ね。

でも、鍛えたら鍛えたらで、逆に多く持たされないかな……。


「じゃあ週末、学校近くの公園に集合ってことで。時間は、気温的に朝か夕方になるけど、どっちがいい?」

「朝でお願いします。友清くん、いい?」

「オーケー」


トントン拍子で日程が決定。

家に着くまでの約10分間、筋肉トークで盛り上がったのだった。
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