ひと夏の星に名前をつけるなら
——終わってしまう。

この夜も、この夏も。

「……来年も、ここに来るの?」
震えそうになる声を何とか必死に振り絞った。

少し間が空く。それは一瞬だったがとても怖く感じた。

「来られたらいいな」
いつもより小さな声だった。
そして、口元に笑みを浮かべたその横顔が、少しだけ寂しそうだった。

「でも、たぶん……無理かもしれない」

「……なんで?」

「うん、ちょっとね……」

ごまかすように空を見上げて、彼はいつものように星の話を始めた。
それ以上、私は何も聞けなかった。


「……ねぇ、ことちゃん」

彼の声が静かに夜を破った。

「ありがとう。出会えてよかった。君と過ごせて本当によかった」

その言葉を聞いた瞬間、私は何かが終わる音を、胸の中で聞いた気がした。

「……私も」

目の奥が熱くなるのを感じながら、精一杯笑った。
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