ひと夏の星に名前をつけるなら
星が流れた。
ふたりの間に言葉はなかった。
ただ夜が静かに、全てを包み込んでいた。
「……あ、流れたね」
彼が少しだけ嬉しそうに声を上げた。
私は何も答えずに、空を見上げ続けた。
願いごとをするには遅すぎた。
でも最初から気づいてた。
願ったところで叶わないってことくらい。
ただ、言いたかった。
“また会いたい”って。
“私が、来る理由になれたらいいのに”って。
でも——言葉にはできなかった。
彼が消えてしまいそうで、怖かった。
「……そろそろ帰ろうか」
彼の言葉に、私は頷いた。
ふたりで森を抜ける。
夜風が、夏の終わりの匂いを運んでいた。
言葉は少なかったけれど、歩幅だけはぴったりと合っていた。
彼とこんなにも長く歩くのは初めてなのに。
それが、ほんの少しだけ嬉しかった。
人の手が入った分かれ道で、私は立ち止まった。
ふたりの間に言葉はなかった。
ただ夜が静かに、全てを包み込んでいた。
「……あ、流れたね」
彼が少しだけ嬉しそうに声を上げた。
私は何も答えずに、空を見上げ続けた。
願いごとをするには遅すぎた。
でも最初から気づいてた。
願ったところで叶わないってことくらい。
ただ、言いたかった。
“また会いたい”って。
“私が、来る理由になれたらいいのに”って。
でも——言葉にはできなかった。
彼が消えてしまいそうで、怖かった。
「……そろそろ帰ろうか」
彼の言葉に、私は頷いた。
ふたりで森を抜ける。
夜風が、夏の終わりの匂いを運んでいた。
言葉は少なかったけれど、歩幅だけはぴったりと合っていた。
彼とこんなにも長く歩くのは初めてなのに。
それが、ほんの少しだけ嬉しかった。
人の手が入った分かれ道で、私は立ち止まった。