私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
とはいえ、次に電話したら言われそうで、連絡先を知っていても電話できずにいた。
フラれ確定女。
それが私。
「うわ、カビが増殖してる」
「困るわねぇ」
穂風さんが除湿器をだそうか?などと真剣に小百里さんと相談を始めた時―――
「こんにちはっ!」
明るい声で店に入ってきたのは関家君だった。
みんなからはあからさまに『よかった、これで鬱々ピアノから解放される』なんて空気を感じた。
少しは付き合ってくれたっていいと思う。
……六月に入ってから、ずっとこの調子だけど。
「今日はレッスンの日じゃないのにどうしたの?」
『えー!レッスンじゃなかったー!』とお客さん達が私を見ていた。
甘いよ。
私が立ち直るまでは弾く。
この鬱々ピアノをね。
「パフェ食べにきたんです。あと、望未先生の顔が見たくて」
「関家君……」
なんて優しい子だろう。
じーんと感激してしまった。
私が落ち込んでいると思って、心配して顔を見にきてくれたに違いない。
「ありがと。いい生徒を持って私は嬉しいよ」
「い、いえっ!えーと。今日って何時に仕事が終わりますか?」
フラれ確定女。
それが私。
「うわ、カビが増殖してる」
「困るわねぇ」
穂風さんが除湿器をだそうか?などと真剣に小百里さんと相談を始めた時―――
「こんにちはっ!」
明るい声で店に入ってきたのは関家君だった。
みんなからはあからさまに『よかった、これで鬱々ピアノから解放される』なんて空気を感じた。
少しは付き合ってくれたっていいと思う。
……六月に入ってから、ずっとこの調子だけど。
「今日はレッスンの日じゃないのにどうしたの?」
『えー!レッスンじゃなかったー!』とお客さん達が私を見ていた。
甘いよ。
私が立ち直るまでは弾く。
この鬱々ピアノをね。
「パフェ食べにきたんです。あと、望未先生の顔が見たくて」
「関家君……」
なんて優しい子だろう。
じーんと感激してしまった。
私が落ち込んでいると思って、心配して顔を見にきてくれたに違いない。
「ありがと。いい生徒を持って私は嬉しいよ」
「い、いえっ!えーと。今日って何時に仕事が終わりますか?」