私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
「ねえ、理滉は店にくるの?」
「えっと、帰国した時に顔を出すくらいです」
「そう。帰国した時ね。あなた、理滉と親しいみたいね」
「え!?ど、どうして」
わかったの、と最後までいう前に言葉を遮られた。
「理滉は帰国するタイミングを教えないのよ。仕事のスケジュールもね。どうしてかわかる?」
「わ、わからないです」
「女と別れる口実に仕事を理由にするためよ」
ドキッとした。
それがあまりにリアルで―――
「なに、その顔。もしかして理滉と付き合ってるの?」
自分がどんな顔をしていたのか、私にはわからない。
「やめておいた方がいいわよ。あなたみたいな素直で可愛い子、理滉には似合わない」
似合わないのは最初からわかってる。
相手は大人の男の人で私より数段上の手だれ。
言い返そうとした私に美女はすっと唇に指をあてた。
「理滉はね、傷は癒してくれるけど、最後まで絶対愛してくれない。自分じゃなくていいかと思った瞬間、突然、手を離すの」
すっと唇から指を離した。
魔女に魔法にかけられてしまったかのように私は声を出すことができなかった。
「えっと、帰国した時に顔を出すくらいです」
「そう。帰国した時ね。あなた、理滉と親しいみたいね」
「え!?ど、どうして」
わかったの、と最後までいう前に言葉を遮られた。
「理滉は帰国するタイミングを教えないのよ。仕事のスケジュールもね。どうしてかわかる?」
「わ、わからないです」
「女と別れる口実に仕事を理由にするためよ」
ドキッとした。
それがあまりにリアルで―――
「なに、その顔。もしかして理滉と付き合ってるの?」
自分がどんな顔をしていたのか、私にはわからない。
「やめておいた方がいいわよ。あなたみたいな素直で可愛い子、理滉には似合わない」
似合わないのは最初からわかってる。
相手は大人の男の人で私より数段上の手だれ。
言い返そうとした私に美女はすっと唇に指をあてた。
「理滉はね、傷は癒してくれるけど、最後まで絶対愛してくれない。自分じゃなくていいかと思った瞬間、突然、手を離すの」
すっと唇から指を離した。
魔女に魔法にかけられてしまったかのように私は声を出すことができなかった。