私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
July 第29話 見つけて、そして呼んで
梶井さんは私との約束通り、七月終わりのコンサートに合わせて帰ってきた。
私は渡瀬さんから梶井さんのコンサートのチケットをもらっていて、ちゃんとその日は空けてある。
「望未ちゃん、嬉しそうね」
「うん。だって、特別席だって梶井さんが言ってたから、どんな席なのかなって」
「そう。望未ちゃん、そろそろ着替えないとだめじゃない?」
「あ、そうだね」
にやにやしてる場合じゃなかった。
渡瀬さんが迎えにきてくれることになっている。
自分で行けるって言ったけど、梶井さんは絶対にだめだと言って譲らなかった。
『お前は薄着でフラフラするからな』
また父親みたいに言われてしまった。
いつになったら、恋人みたいなセリフに格上げしてくれるのだろうか。
「望未。お届け物ですって言われたんだけど」
玄関で受け取った荷物を持ってお母さんがリビングに入って来た。
明日、梶井さんが家に挨拶に来るから、仕事を休んで大掃除中だった。
そんな気にしなくていいのにって言ったけど、有名人を家に迎えるんだからそうはいかないと言い張って、今日から明日の準備をしている。
私は渡瀬さんから梶井さんのコンサートのチケットをもらっていて、ちゃんとその日は空けてある。
「望未ちゃん、嬉しそうね」
「うん。だって、特別席だって梶井さんが言ってたから、どんな席なのかなって」
「そう。望未ちゃん、そろそろ着替えないとだめじゃない?」
「あ、そうだね」
にやにやしてる場合じゃなかった。
渡瀬さんが迎えにきてくれることになっている。
自分で行けるって言ったけど、梶井さんは絶対にだめだと言って譲らなかった。
『お前は薄着でフラフラするからな』
また父親みたいに言われてしまった。
いつになったら、恋人みたいなセリフに格上げしてくれるのだろうか。
「望未。お届け物ですって言われたんだけど」
玄関で受け取った荷物を持ってお母さんがリビングに入って来た。
明日、梶井さんが家に挨拶に来るから、仕事を休んで大掃除中だった。
そんな気にしなくていいのにって言ったけど、有名人を家に迎えるんだからそうはいかないと言い張って、今日から明日の準備をしている。