私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
それに巻き込まれるようにして、菜湖(なこ)ちゃんも大掃除に付き合っていた。

「梶井さんからみたいよ」

「なんだろう」

見るからに高そうなプレゼントのラッピングで箱はかなり大きい。
包装紙を丁寧にはがして、箱を開けた。
そこには目も覚めるような深紅のドレスがあった。
靴とバッグ、アクセサリーまである。
大人っぽい。

「素敵なドレスね」

「似合うかな……」

不安そうな私に菜湖ちゃんが笑った。

「似合うわよ。望未ちゃんは身長が低いからロングじゃないほうがいいし、それに目がぱっちりしているから、色がはっきりしている方がよく似合うわよ」

身長低いは言わなくていいのにと思ったけど、ドレスを着てみた。
ノースリーブで胸がブイ字だけど、ちゃんと見えない。
胸が小さくても……
梶井さん、まさかその辺をちゃんと配慮して?
まさかね?

「望未ちゃん。メイクしてあげる」

「うん」

「いいじゃない。お人形さんみたいよ」

お母さんが笑う。

「私、おかしくない?」

「うん」

ちょうど準備が終わった頃にインターホンが鳴り、玄関のドアを開けた。
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