私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
「はい。カフェオレ。望未ちゃん。テレビつけていい?」
「ありがと。うん。いいよ」
菜湖ちゃんがテレビをつけると、ちょうど『梶井理滉チェロコンサート』のCMが流れた。
画面の中の梶井さんは挑発するような目でこっちを見ていた。
「望未ちゃんは好きだからね」
「えっ!?誰のことを?あ、あつっ……」
動揺してカフェオレを床にこぼしてしまった。
「もー、なにしてるの。やけどしてない?大丈夫?梶井理滉のコンサートに行くんでしょ?」
「うん……平気……」
もちろんファンだから、チケットは買ってある。
今、名前を聞いて私の頭の中に浮かんだのはチェロを弾く梶井さんの姿ではなかった。
思い出すのは昨日のキス―――
「ちょっと望未ちゃん、顔が真っ赤だけど本当に大丈夫?そんなにカフェオレ、熱かった?」
「だっ、大丈夫」
熱いのはカフェオレじゃなくて、私の胸の内。
なんでも話してきた菜湖ちゃんに私は初めて秘密にしてしまった。
「でも、望未ちゃん。梶井さんを追いかけてる場合じゃないわよ。そろそろ彼氏を作らないとね」
私が梶井さんのファンだと菜湖ちゃんは知っている。
「ありがと。うん。いいよ」
菜湖ちゃんがテレビをつけると、ちょうど『梶井理滉チェロコンサート』のCMが流れた。
画面の中の梶井さんは挑発するような目でこっちを見ていた。
「望未ちゃんは好きだからね」
「えっ!?誰のことを?あ、あつっ……」
動揺してカフェオレを床にこぼしてしまった。
「もー、なにしてるの。やけどしてない?大丈夫?梶井理滉のコンサートに行くんでしょ?」
「うん……平気……」
もちろんファンだから、チケットは買ってある。
今、名前を聞いて私の頭の中に浮かんだのはチェロを弾く梶井さんの姿ではなかった。
思い出すのは昨日のキス―――
「ちょっと望未ちゃん、顔が真っ赤だけど本当に大丈夫?そんなにカフェオレ、熱かった?」
「だっ、大丈夫」
熱いのはカフェオレじゃなくて、私の胸の内。
なんでも話してきた菜湖ちゃんに私は初めて秘密にしてしまった。
「でも、望未ちゃん。梶井さんを追いかけてる場合じゃないわよ。そろそろ彼氏を作らないとね」
私が梶井さんのファンだと菜湖ちゃんは知っている。