私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
傷を負ったままの白鳥がうつむき、暗い森の湖面に一羽、漂っているような寂しい音。
まるで泣いているような音色がホールに響いていた。
二曲終わると梶井さんは立ち上がり、お辞儀をした。
大きな拍手、そして周りの人達は涙をぬぐっていた。
「やっぱり白鳥は梶井さんじゃないと」
「素晴らしいわねぇ」
「次の曲はリベルタンゴね」
チェリストの深月さんと一緒に弾いて以来、ファンを虜にしてしまった曲だった。
さっきとは違う女性を魅了してしまうような色気たっぷりで奔放な音。
視線を客席へ向ける。
たったそれだけのことなのに場が盛り上がるのがわかる。
こちらにも目が向けられた瞬間、さっきより長くその視線はその場に留まり、私を見ているような気がした。
―――私の気のせいだろうけど、なぜか私の心は激しく揺れ動いた。
それは曲のように熱くて激しい感情だった。
まるで泣いているような音色がホールに響いていた。
二曲終わると梶井さんは立ち上がり、お辞儀をした。
大きな拍手、そして周りの人達は涙をぬぐっていた。
「やっぱり白鳥は梶井さんじゃないと」
「素晴らしいわねぇ」
「次の曲はリベルタンゴね」
チェリストの深月さんと一緒に弾いて以来、ファンを虜にしてしまった曲だった。
さっきとは違う女性を魅了してしまうような色気たっぷりで奔放な音。
視線を客席へ向ける。
たったそれだけのことなのに場が盛り上がるのがわかる。
こちらにも目が向けられた瞬間、さっきより長くその視線はその場に留まり、私を見ているような気がした。
―――私の気のせいだろうけど、なぜか私の心は激しく揺れ動いた。
それは曲のように熱くて激しい感情だった。