私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
「梶井さんが欲しいなら、死ぬ気で行かないとあなたレベルでは返り討ちにあいますよ」
「死ぬ気で行けば、手に入りますか?」
渡瀬さんは私をじっと見た。
『本気ですか?』という目。
「傷つけられますよ」
そんな予感はしていた。
この恋はきっと簡単にはいかないんだっていう予感。
でも私は―――
「梶井さんがいいです」
「そうですか。健闘を祈ります」
渡瀬さんは相変わらずの無表情。
だけど、少しだけ笑ったような気がした。
「それでは、次の予定があるので失礼します」
渡瀬さんはカツカツと力強いヒール音を鳴らして去っていった。
テーブルの上のフォークは使われずにそのままで、気づいたら達貴さんはランチを終えて帰った後だった―――
「死ぬ気で行けば、手に入りますか?」
渡瀬さんは私をじっと見た。
『本気ですか?』という目。
「傷つけられますよ」
そんな予感はしていた。
この恋はきっと簡単にはいかないんだっていう予感。
でも私は―――
「梶井さんがいいです」
「そうですか。健闘を祈ります」
渡瀬さんは相変わらずの無表情。
だけど、少しだけ笑ったような気がした。
「それでは、次の予定があるので失礼します」
渡瀬さんはカツカツと力強いヒール音を鳴らして去っていった。
テーブルの上のフォークは使われずにそのままで、気づいたら達貴さんはランチを終えて帰った後だった―――