私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
「だいたいのトラブルはあなたのせいよ。自覚しなさい」
女関係のトラブルを言っているのだろうか。
千亜妃さんは昔からの付き合いで浮気性な梶井さんが起こすトラブルに困っている―――そういういこと?
「ほら、行くわよ」
梶井さんは千亜妃さんと行ってしまう。
でも、それを引き留めることは私にはできない。
ぎゅっとエプロンを握りしめた。
私に背を向けて店を出ようとした梶井さんがなにか思い出したかのようにピタリと足を止めた。
「千亜妃さん、先に車で待っていてくれ。忘れ物をした」
「いいけど、早くね」
梶井さんはまた私のところに戻ってきて、大きな手で私の頭をぽんっと叩いた。
「だから、その顔はやめろ」
「泣いてませんけど」
涙をこらえているせいで、赤くなった顔を見られているのはわかってる。
でも、ここは見て見ぬふりをして欲しかった。
私の精一杯の矜持だったのに。
「これ、やるよ」
梶井さんは私の手に名刺を渡した。
そして、私のエプロンからボールペンを取り出して、さらさらとペンを走らせ、プライベートの番号を書いた。
「連絡先くらいはくれてやる。まったく……特別だぞ!?これだから、ガキは困るんだ。だから、泣くな」
泣きたくなったら、かけてこい。
そう言っているような気がした。
「じゃあな」
涙がひいた私の手に一枚の名刺と梶井さんの特別な連絡先。
特別―――私はあなたにとってどんな存在なんだろう。
そう思いながら、梶井さんの連絡先を眺めていた。
女関係のトラブルを言っているのだろうか。
千亜妃さんは昔からの付き合いで浮気性な梶井さんが起こすトラブルに困っている―――そういういこと?
「ほら、行くわよ」
梶井さんは千亜妃さんと行ってしまう。
でも、それを引き留めることは私にはできない。
ぎゅっとエプロンを握りしめた。
私に背を向けて店を出ようとした梶井さんがなにか思い出したかのようにピタリと足を止めた。
「千亜妃さん、先に車で待っていてくれ。忘れ物をした」
「いいけど、早くね」
梶井さんはまた私のところに戻ってきて、大きな手で私の頭をぽんっと叩いた。
「だから、その顔はやめろ」
「泣いてませんけど」
涙をこらえているせいで、赤くなった顔を見られているのはわかってる。
でも、ここは見て見ぬふりをして欲しかった。
私の精一杯の矜持だったのに。
「これ、やるよ」
梶井さんは私の手に名刺を渡した。
そして、私のエプロンからボールペンを取り出して、さらさらとペンを走らせ、プライベートの番号を書いた。
「連絡先くらいはくれてやる。まったく……特別だぞ!?これだから、ガキは困るんだ。だから、泣くな」
泣きたくなったら、かけてこい。
そう言っているような気がした。
「じゃあな」
涙がひいた私の手に一枚の名刺と梶井さんの特別な連絡先。
特別―――私はあなたにとってどんな存在なんだろう。
そう思いながら、梶井さんの連絡先を眺めていた。