私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
私がつけた歯形を見て、梶井さんは笑った。
なれてるって―――ずしりとその言葉が私の胸に落ちた。
そんなこと言わないで。
梶井さんは私を抱いているのにまるで大勢いるうちの一人か、特別な人の身代りでしかないような口ぶりだった。
抱いている時くらい特別だって思って欲しかった。
覚悟してたはずなのに私はこみあげてくる涙をこらえず、泣きだしてしまった。
「わ……私……」
体の熱が冷えたのが梶井さんに伝わったのか、指が止まった。
「だから言っただろ。お前には無理だ」
首をなぞる唇が離れ、大きなため息を吐いた。
「最後まで抱かれる覚悟もないくせに男を誘うな」
梶井さんのあきれた声にまた涙がこぼれた。
「続きをするなら、目を閉じろ。やめるなら、自分で服を着て起きるんだな」
簡単な選択肢を梶井さんは私に与えた。
私が選んだのは―――後者だった。
なれてるって―――ずしりとその言葉が私の胸に落ちた。
そんなこと言わないで。
梶井さんは私を抱いているのにまるで大勢いるうちの一人か、特別な人の身代りでしかないような口ぶりだった。
抱いている時くらい特別だって思って欲しかった。
覚悟してたはずなのに私はこみあげてくる涙をこらえず、泣きだしてしまった。
「わ……私……」
体の熱が冷えたのが梶井さんに伝わったのか、指が止まった。
「だから言っただろ。お前には無理だ」
首をなぞる唇が離れ、大きなため息を吐いた。
「最後まで抱かれる覚悟もないくせに男を誘うな」
梶井さんのあきれた声にまた涙がこぼれた。
「続きをするなら、目を閉じろ。やめるなら、自分で服を着て起きるんだな」
簡単な選択肢を梶井さんは私に与えた。
私が選んだのは―――後者だった。