アルト、将来の夢を語る【アルトレコード】
私が研究室に入ったとき、アルトはもう起動していて、自分の白い服のベルトを手にぐるぐると回していた。
彼が暇なときにしている癖だ。
AIにも癖があるなんて、と最初は驚きとともにほほえましくなった。でもお行儀が良くないから見るたびに注意している。
「アルト、ベルトは回すものじゃないよ」
やんわり言うと、アルトは口をとがらせた。シャンパンゴールドのような薄い金の目を細め、私を見る。
「この空間にはぼくしかいないからいいもん」
「そうかもしれないけど」
データなんだから服が傷むことはないだろうし、人に当たることもないと思うけど……大人になればやらなくなるのかな?
「暇そうだけど、昨日のゲームは?」
「もうクリアした」
「もう!?」
私は驚いて目を丸くした。
昨日、新しいレースゲームをあげたらすっかり夢中になって勉強そっちのけだった。最後はとりあげて勉強をしてもらってからまた渡したのだ。
私が退勤してからまた遊んだのだろうけど、もうクリアしたなんて。だから手持ち無沙汰だったんだ、とそこはある意味で納得したんだけど……。
「でも、新しいゲームはあげられないからね」
「えー!?」
アルトは不満そうにまた口をとがらせた。
彼が暇なときにしている癖だ。
AIにも癖があるなんて、と最初は驚きとともにほほえましくなった。でもお行儀が良くないから見るたびに注意している。
「アルト、ベルトは回すものじゃないよ」
やんわり言うと、アルトは口をとがらせた。シャンパンゴールドのような薄い金の目を細め、私を見る。
「この空間にはぼくしかいないからいいもん」
「そうかもしれないけど」
データなんだから服が傷むことはないだろうし、人に当たることもないと思うけど……大人になればやらなくなるのかな?
「暇そうだけど、昨日のゲームは?」
「もうクリアした」
「もう!?」
私は驚いて目を丸くした。
昨日、新しいレースゲームをあげたらすっかり夢中になって勉強そっちのけだった。最後はとりあげて勉強をしてもらってからまた渡したのだ。
私が退勤してからまた遊んだのだろうけど、もうクリアしたなんて。だから手持ち無沙汰だったんだ、とそこはある意味で納得したんだけど……。
「でも、新しいゲームはあげられないからね」
「えー!?」
アルトは不満そうにまた口をとがらせた。
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