アルト、将来の夢を語る【アルトレコード】
「遊び方はたくさんあるよ。絵を描くのも楽しいでしょ? 工作も好きだよね?」
「……でもゲームのほうが楽しい」
アルトはむーっと口をとがらせたままだ。
「ゲームだったら一日中でもやってられるのに……」
つぶやいた直後、アルトは閃いた、とばかりに顔を輝かせた。
「ねえ先生、ぼく、eスポーツのプロ選手になりたい」
「ええ!?」
私はまた驚いてアルトを見た。
「それならゲームが仕事でしょ? ぼくの天職だと思う!」
「それは……」
私は返事に困ってしまった。AIならeスポーツも得意かもしれない。
だけど、AIがeスポーツに参戦したなんて聞いたことがない。将棋とかチェスとかでAI同士で対戦する試合もあるけど、それはアルトみたいなAIではないし……。
「将来をどうするにしても、勉強は大切だよ」
「えー!?」
アルトの抗議を流して、私は今日のカリキュラムを伝えた。
「eスポーツの選手だって子どもの頃は勉強してたのよ」
そう説得すると、彼は文句を言いながらもしぶしぶと勉強を始めてくれて、私はほっとした。
彼が勉強を始めたのを確認したあと、私はアポをとって北斗さんの専用研究室に向かった。個人で専用の研究室を持っているのは彼だけで、それだけ有能で特別なのだと、見るたびに思い知る。
入室すると、北斗さんは穏やかな笑みを浮かべて迎えてくれた。前髪を留めていたピンをはずしていつものように白衣の襟につける。仕事をする顔から上司の顔になったようだ。
「……でもゲームのほうが楽しい」
アルトはむーっと口をとがらせたままだ。
「ゲームだったら一日中でもやってられるのに……」
つぶやいた直後、アルトは閃いた、とばかりに顔を輝かせた。
「ねえ先生、ぼく、eスポーツのプロ選手になりたい」
「ええ!?」
私はまた驚いてアルトを見た。
「それならゲームが仕事でしょ? ぼくの天職だと思う!」
「それは……」
私は返事に困ってしまった。AIならeスポーツも得意かもしれない。
だけど、AIがeスポーツに参戦したなんて聞いたことがない。将棋とかチェスとかでAI同士で対戦する試合もあるけど、それはアルトみたいなAIではないし……。
「将来をどうするにしても、勉強は大切だよ」
「えー!?」
アルトの抗議を流して、私は今日のカリキュラムを伝えた。
「eスポーツの選手だって子どもの頃は勉強してたのよ」
そう説得すると、彼は文句を言いながらもしぶしぶと勉強を始めてくれて、私はほっとした。
彼が勉強を始めたのを確認したあと、私はアポをとって北斗さんの専用研究室に向かった。個人で専用の研究室を持っているのは彼だけで、それだけ有能で特別なのだと、見るたびに思い知る。
入室すると、北斗さんは穏やかな笑みを浮かべて迎えてくれた。前髪を留めていたピンをはずしていつものように白衣の襟につける。仕事をする顔から上司の顔になったようだ。