転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
(私のせいでロンティナが実現する前に、命を奪われそうになっていたなんて……!)

 それだけは絶対に実現してはならないと恐れたからだ。

「私はロンドに、1ミリも恋愛感情なんて抱いてないよ!?」
「そうみたいだね」
「ぬいぐるみを可愛がるみたいなものだって言えば、伝わるかな!? ずっと一緒にはいたいけど、結婚する対象ではないと言うか……!」
「うん。ユキリの気持ちは、よくわかったよ。でも……君がムキになればなるほど、不愉快で仕方ない。もう、黙ろうか」
「ひえ……!」

 笑顔で凄んだ殿下は、ユキリをベッドに押し倒す。

(ど、ドキドキイベントが来た……! た、助けてユイガ……っ!)

 イケメンから迫られるのは心臓に悪くて仕方ない。
 思わず近くにいるはずの弟に助けを求めたが、普段ならば怒声を響かせるはずの彼は姉の視線を無視した。

(あれ? なんで……?)

 弟から裏切りを受けるなど思わず、困惑していれば――。
 苦悶の表情を浮かべたマイセルと目が合った。
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