転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
「恋愛学園がどう言う所か。僕達はわかっているつもりだよ。でもね……。こちらの気持ちを蔑ろにしていいって免罪符が出来たわけじゃないんだ」
「そ、それは……。一体、どう言う……」
「他人の恋路を気にする余裕があるくらいなら、自分に向けられた恋愛感情にも、もっと敏感になるべきだと思わない?」
「お、仰っている意味が、よく……」
「あの2人が仲良さそうにしている時に見せる、ユキリの表情は……。不特定多数の前で、曝け出すべきではない。こうして、僕達といる時だけに――見せてほしいんだけどなぁ……」

 それは無理だと言いかけて、ぐっと堪えた自分を褒めてやりたかった。
 今殿下は、危うい状況にある。
 ここで選択肢を誤れば、ヤンデレ覚醒一直線だ。
 最悪の場合、監禁ルートに突入する。

(そ、そんなのいやぁ……!)

 ユキリはぶんぶんと首を振ると、今にも泣き出しそうなほどに瞳を細めた彼の頬に、小さな指先を触れた。

「殿下はこれから、恋愛学園で……。たくさんの女の子たちと出会うよ。すぐに、私なんかよりも素敵な女の子に……」
「ユキリ?」
「ま、間違えた! ごめん! 今のナシ!」
「二度目はないよ。僕が欲しい言葉……。ずっとここで暮らしていたユキリなら、わかるよね……?」
「う、うぅ……っ。あ、あのね。私、ロンドとティナが結ばれるのを見届けたら、退学するつもりなの……」
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