転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
(でも、解釈違いなんだよなぁ~!)

 しかし、それは喜びの感情ではない。
 自分の理想とは真逆の態度を取られたことに対する異論だ。

(ティナを、面白い女扱いするロンド……)

 だが、これは相手を自分からティナに変えれば、イチャイチャイベントに変化する。
 大好きなロンティナの姿を想像し、ユキリはニヤリと口元を緩める。

『これだから、やめらんねぇんだよ』
『ロンド……?』
『あんたを好きになるの』

 その光景を思い浮かべたせいか。
 こちらを誰も見ていないのをいいことに、思わず下衆な笑い声が飛び出てしまう。

(は……っ。いけない!)

 しまりのない笑顔を浮かべている場合ではない。
 ユキリは時計を見つめ、すぐさま我に返った。

(昼休みが終わっちゃう!)

 自分の都合がいいように作られた妄想をかき消し、大慌てで食堂へ向かった。
< 129 / 245 >

この作品をシェア

pagetop