転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!

 ーー恋ラヴァで攻略対象達がティナに惚れるのは、彼女が魅力的な少女だからだ。
 ユキリのようななんの取り柄もない人間に、誰もが妻になりたいと立候補するような王太子が惚れるのは、絶対に違う。

(ごめん、殿下)

 彼の気持ちには応えられないと、心の中で謝罪をする。
 その後、一呼吸置いてから自身を心配してくれたマイセルへお礼を告げた。

「あ、ありがとう」
「どういたしまして」

 2人の間には、嫌な沈黙が流れた。
 ユキリは彼に話しかけるべきか、しばらく迷っていた。
 すると、マイセルの口から想像通りの言葉が紡がれてうろたえる。

「君が聖女だってことを、僕達は必死に隠し続けていたけれど……。ついに、神殿に見つかってしまってね……」

 ユキリはその話を耳にした瞬間、叫びだしたい気持ちでいっぱいになった。

(ああああ! やっぱりぃ!)

 自分が聖女ルートに向かって邁進していると気づいたからだ。

(ザルツかバッドエンドの二択なんて、絶対に嫌よ……!)
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