転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
「こら。また、ぼーっとしてる」
マイセルに顔を覗かれたユキリは、はっとした様子で彼を見上げる。
(ちゃんと、言わなきゃ)
何度も唇を動かし、声を出そうと必死になった。
(あなたの好意に、応えてみたいって……)
ーーけれど……。
想いを通じ合わせたところで、ユキリが聖女である事実は変えようがない。
すぐさま彼と離れ離れになる可能性を考えたら、その困難を退けてからでなければ素直な気持ちを曝け出す気にはならなかった。
(どうして私が、聖女なんだろう……?)
何度目かわからぬ疑問を脳裏に思い浮かべるほど、声を発しようとする気持ちは奪われていった。
「ーー無理に、何かを伝えようとしないで」
そんなユキリの姿を見かねたマイセルは優しく微笑むと、こちらの手を取る。
「声に出さなくても、わかるから」
彼は先程までの剣呑な雰囲気を霧散させると、離れないように指先を絡めて歩き出す。
ーー繋いだ指先から伝わる熱を、感じたせいか。
柄にもなく頬を赤く染めると、少しだけ勇気を出してお礼を告げた。
「あり、がとう……」
自らの意思でマイセルと繋いだ指先を握り返す。
そして、何か言いたげな視線をこちらに向ける弟と合流し――3人揃って仲良く、帰路についたのだった。
マイセルに顔を覗かれたユキリは、はっとした様子で彼を見上げる。
(ちゃんと、言わなきゃ)
何度も唇を動かし、声を出そうと必死になった。
(あなたの好意に、応えてみたいって……)
ーーけれど……。
想いを通じ合わせたところで、ユキリが聖女である事実は変えようがない。
すぐさま彼と離れ離れになる可能性を考えたら、その困難を退けてからでなければ素直な気持ちを曝け出す気にはならなかった。
(どうして私が、聖女なんだろう……?)
何度目かわからぬ疑問を脳裏に思い浮かべるほど、声を発しようとする気持ちは奪われていった。
「ーー無理に、何かを伝えようとしないで」
そんなユキリの姿を見かねたマイセルは優しく微笑むと、こちらの手を取る。
「声に出さなくても、わかるから」
彼は先程までの剣呑な雰囲気を霧散させると、離れないように指先を絡めて歩き出す。
ーー繋いだ指先から伝わる熱を、感じたせいか。
柄にもなく頬を赤く染めると、少しだけ勇気を出してお礼を告げた。
「あり、がとう……」
自らの意思でマイセルと繋いだ指先を握り返す。
そして、何か言いたげな視線をこちらに向ける弟と合流し――3人揃って仲良く、帰路についたのだった。