転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
自分の気持ちに、嘘をついた。
(本当は、聖女としてなんて生きたくないよ……)
恋愛学園に卒業まで在籍していたかったし、ロンドとティナの結婚式に友人として参列したかった。
だが、それはどうやったって叶わない。
(でも。今まで、散々逃げてきたから。いい加減、自分の運命と向き合わないと駄目だよね。殿下と結婚して、王太子妃になったところで……。民からの評判は、地に落ちてしまう。そう、思うから……)
彼に対する好意を否定するたびに、ズキズキと痛む胸を抑えながら。
これこそが最善の選択肢なのだと何度も自分に言い聞かせたユキリは――。
「さよなら」
マイセルと、別れを済ませて出口に向かって歩き出す。
「待って! 駄目だ、ユキリ……!」
いつもは余裕綽々な笑みを浮かべる殿下が、今にも泣き出しそうな声を上げて叫んでいる。
その呼びかけに応えたい気持ちは山程あるが、それではこの選択をした意味がない。
「ティナ。ロンドと、お幸せにね」
「ユキリ……!」
何か言いたそうに彼女の名を叫んだのは、ティナだったか。
それとも、マイセルだったのか。
ユキリはその声を無視して最後にそう言い残すと、勢いよく恋愛学園から飛び出した。
(本当は、聖女としてなんて生きたくないよ……)
恋愛学園に卒業まで在籍していたかったし、ロンドとティナの結婚式に友人として参列したかった。
だが、それはどうやったって叶わない。
(でも。今まで、散々逃げてきたから。いい加減、自分の運命と向き合わないと駄目だよね。殿下と結婚して、王太子妃になったところで……。民からの評判は、地に落ちてしまう。そう、思うから……)
彼に対する好意を否定するたびに、ズキズキと痛む胸を抑えながら。
これこそが最善の選択肢なのだと何度も自分に言い聞かせたユキリは――。
「さよなら」
マイセルと、別れを済ませて出口に向かって歩き出す。
「待って! 駄目だ、ユキリ……!」
いつもは余裕綽々な笑みを浮かべる殿下が、今にも泣き出しそうな声を上げて叫んでいる。
その呼びかけに応えたい気持ちは山程あるが、それではこの選択をした意味がない。
「ティナ。ロンドと、お幸せにね」
「ユキリ……!」
何か言いたそうに彼女の名を叫んだのは、ティナだったか。
それとも、マイセルだったのか。
ユキリはその声を無視して最後にそう言い残すと、勢いよく恋愛学園から飛び出した。