転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
「うん……。体調は……まぁまぁかな……」
「神殿での暮らし、あんまりよくなかったの……?」
「思ってたよりは、悪くなかったよ」

 恋ラヴァの聖女ルートでティナは、待遇が悪いと語っていた。
 それを知っているユキリは、自分は一体どうなるのかとビクビクしていたのだが――。
 想像よりはいい暮らしを満喫できたこともあり、ティナへ素直な気持ちを打ち明けた。

「そっか……」

 すると彼女は、暗い顔で相槌を打った。

 普段は明るく元気な推しがこうして歯切れの悪い言葉を紡ぐなど、珍しいこともあるものだ。
 それが気になったユキリは、不思議そうに彼女を見つめる。
 すると、ティナの口からは想像もしていなかった内容が紡がれ――驚いてしまった。

「あのね。ユキリちゃんが居なくなってから。殿下とユイガくん、すごく不機嫌だったよ」
「殿下とユイガが……?」
「笑わなくなって……。ずっとピリピリしている感じかな……」

 ティナからその言葉を耳にしたユキリは、思わず目を見張る。

(どうして?)

 シスコンの弟はともかく……。
 マイセルのトレードマークは、笑顔だったからだ。
 ユキリは恐る恐る、ティナに問いかけた。
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