転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
 久しぶりに2人の姿を目にしたユキリは、思わず口元を緩める。
 半年ぶりともあれば、その喜びもひとしおだ。
 幼馴染コンビの姿をうっとりとした表情で見つめるこちらの姿を見たら、普段のロンドであれば呆れた表情をするはずだったが――。

「学園内の草むらに隠れてろ。いいな」

 彼は硬い表情で厳命すると、マイセルとユイガを探しに行った。

「ユキリちゃん。こっちだよ」

 この場に残されたティナはユキリの細い指先を離れないようにしっかりと握りしめると、ガサゴソと草木を掻き分け――制服が汚れるのも厭わずに、恋愛学園の敷地内へ誘導してくれた。

(あああ……! 推しと、手を繋いじゃった……! この手はもう、洗えないよ……!)

 ユキリは口から心臓が飛び出そうになりながら、ティナと物陰に隠れてロンドの帰りを待つ。

「ふぅ……。あとは、殿下とユイガくんが来るのを待つだけだね。ユキリちゃん、久しぶり! 元気だった……?」

 無事にユキリを恋愛学園の敷地へ誘うことに成功したティナは気を利かせて、こちらに話しかけてきた。
 ユキリは神殿で暮らしていた時の光景を思い出し、なんとも言えない顔で曖昧な解答をする。

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