転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
「ティナ~! 会いたかった……!」
退学したはずのユキリがマイセルとともに恋愛学園に復帰すれば、学内は大騒ぎになった。
(聖女で王太子の婚約者が復学なんて、情報量が多すぎるもん。無理もないよね……)
ユキリは生徒達に、腫れ物を扱うような目線を向けられながらもそれを諸共せず――。
彼が望む通りにマイセルの身体にベタベタとまとわりついては、殿下大好きアピールをし続けた。
「お帰りなさい、ユキリちゃん!」
「ただいま!」
ユキリがティナと一緒にいるのは、学園長に呼ばれたマイセルとそれについて行ったユイガが戻ってくるまで、彼女と行動をともにするように厳命されたからだった。
(またこうしてティナとお喋りができるなんて、夢みたい……!)
大好きな推しと2人きりで話せると大喜びしながら、ユキリは椅子に座る。
「ロンドとは、どんな感じ?」
「ユキリちゃんのおかげで、順調だよ」
「よかった! 2人が幸せで、私も嬉しい!」
ティナの報告を受けたユキリは、嬉しくて仕方がないと喜びを露わにした。
(あれ? なんだかティナ、元気がないような……?)
しかし、対面の席に座るティナはなぜか浮かない顔をしていて……。
ユキリは不安そうに、問いかけた。
「どうしたの? 何か、嫌なことでもあった?」
「ユキリちゃんに、謝らなきゃいけないことがあるの」
「なんだろ?」
「学園に入学してすぐ、殿下が好きと言ったの。覚えてる?」