転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!

「もちろん!」

 ユキリは話の腰を折らないように気をつけながら頷く。
 すると、彼女はホッと胸を撫で下ろした様子で続きを話し始めた。

「あれ。実は、嘘だったんだ……」
「……殿下のことが、好きって話?」
「うん。ロンドを、嫉妬させたくて……」

 ――やはりこのあたりの事情は、初恋イベントの通りであったらしい。
 恋ラヴァで語られた内容は大体頭の中に入っているため、わざわざ彼女の口から打ち明けられなくても把握していたが……。

(ここで知っているから説明しなくていいよ、なんて言えるはずもないし……)

 ユキリは満面の笑顔を浮かべて、ティナに告げた。

「当て馬作戦だね!」

 今度は彼女が、首を縦に振る番だ。
 幼馴染の関係性を恋人へ進展させるためには、恋の障害が必要不可欠だ。

 ユキリはマイセルを好きと宣言することで、いつまでも幼馴染でいるつもりならば、他の男に取られてしまうかもしれないぞと、ロンドを煽ろうとしたのだ。

 ーー結果は、見事に成功。

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