転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
「ロンド……?」
「俺以外の奴と仲良くされんのは、嫌だって言ってんだよ!」
「わ、わたしだって! 同じ気持ちだもの……!」

 2人はあっと言う間に熱い抱擁を交わし、自分達だけの世界に入ってしまった。

(終わりよければ全てよし、かな?)

 ユキリはそそくさとロンティナから距離を取り、邪魔をしないようにその場から立ち去ろうとして――。

「どこに行くの」

 ――目の笑っていないマイセルに、捕まった。

(もしかしなくとも、怒ってる……!)

 彼はユキリが、自分の言いつけを破ったと思い込んでいるのだろう。
 どう言い訳をしようか悩んで目を白黒させた姉は、殿下の隣に佇む弟へ助けを求めた。しかし――。

「今のは、姉さんが悪い」

 すっかりシスコンが鳴りを潜めたユイガは、こちらの味方にはなってくれなかった。

(そんなぁ……っ)

 こんな状態では、何を言っても火に油を注ぐだけだ。

「殿下とユイガを、探しに行こうと思っていたところなの!」

 幼馴染カップルに触発されたユキリは明るい声を発すると、勢いよく殿下に抱きついた。

「学園長とお話、終わったの?」
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