転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
(婚約者を決めるお茶会で見初められて、求婚されてるなんて言えるわけないよ……!)
マイセルは恋ラヴァの攻略対象だ。
彼の伴侶に相応しいのは、ユキリではなくティナである。
しかし、自分が推しているのはヒロインと幼馴染のカップル成立であって、王太子ルートではない。
2人が結ばれるのは望んでいなかった。
だが――ここで一緒に暮すくらい仲がいいと笑顔で伝えるのも、おかしな話だ。
(ティナにマウントを取ってるなんて、思われたくないもの……!)
事実を素直に伝えたら、殿下は喜ぶかもしれないが……。
友達以上恋人未満のロンティナみたいな関係だと伝えるのだけは避けたかった。
(殿下は私のものだから、色目を使わないでって言っているみたいだし……)
恋愛学園で過ごすようになれば、どうやっても社交界の噂がティナの耳に入るのは避けられない。
だとしても――。
(打ち明けるのは、もっと仲良くなってからにするべき、だよね……。ほら、ヒロイン転生って、流行っているし……)
ユキリは前世の嫌な記憶を思い出し、露骨に顔を顰めた。