転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
 彼は半日間別々に行動しただけでも深刻な姉不足に悩まされているようで、人前にもかかわらず勢いよくユキリの細い身体に飛びついて抱きしめた。

「こ、こら……っ。ユイガ! みんな、びっくりしてるでしょ……!?」
「なぜ俺は姉さんと別々のクラスで、こいつと四六時中一緒の教室で授業を受けないといけないんだ!?」
「奇遇だね。僕も同じ気持ちだよ。ユキリと隣の席になって、愛を深め合う計画が台無しじゃないか……」

 珍しく意見を一致させた2人は、このクラス分けを決めた学園側の恨み言を口にした。

(ユイガはともかく……。殿下はヤンデレの鱗片を節々に感じさせているからなぁ……。次の日には権力をフル活用して、自分達と同じクラスにしようと目論んでもおかしくないよね……)

 ユキリはもしもの可能性を思い浮かべてぞっと背筋を凍らせる。
 そんな姿を目にしたティナは、双子の姉弟を交互に見比べーー明るい声で問いかけた。

「あっ! わかった! 殿下と仲のいい、弟さんだ!」
「姉って呼んだのを聞いていれば、誰だってわかるだろ……」
「ええ? そうかなぁ……。私は顔達が似ていなかったら、わかんなかったよ?」

 呆れるロンドと小首を傾げて首を傾げるティナの破壊力は抜群だ。
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