アルトと歩む未来【アルトレコード】
 事件が解決し、アルトが四人になってしばらくしたある日。
 私は朝早くから美容室に行って振袖を着つけてもらった。髪型をセットしてもらい、メイクもしてもらう。

 準備が終わると自動運転車(ビークル)に乗って研究所に向かった。このビークルは研究所が用意してくれたもので、八人まで乗車可能だ。向かい合って座る座席なので、みんなで話しもできる。

 研究所に近付くと、窓越しに四人のアルトが門の前で待っているのが見えた。
 ああ、と私は感慨深く目を細める。
 大きくなった四人のアルト。スーツを着ているとなおさらに大人っぽい。
 今日は、アルトたちが事件を解決へと導いたことへの表彰式があるのだ。だからみんな礼装を着ている。

 研究所の前に停車したビークルから降りると、アルトたちに声をかける。
「お待たせ」
「待ってないよ。っていうか先生、すごくきれい! 華やかで素敵!」
 アルトが淡黄色の目を輝かせて褒めてくれる。
「ありがとう。アルトたちもスーツがよく似合ってるよ」

「だよね。かわいく着れたよ!」
「あはは、ありがとう先生!」
「お、おう……」
「大人になっても褒められると嬉しいものだな」
 私の言葉に、三者三様……というか、四者四様の照れ方をする。

 全員が紺のスーツなのだけど、色合いやデザインが少しずつ違っている。ネクタイの色をそれぞれの瞳の色に合わせているのがおしゃれだ。
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