25年ぶりに会ったら、元・政略婚相手が執着系社長になってました
「…いやです」
その言葉が、美和子の唇から零れ落ちた瞬間、
真樹の目がすうっと細くなり、口元にゆるやかな笑みが浮かんだ。
「へえ……今、何て言った?」
耳元で低く囁くその声に、背筋がぞくりと震える。
わかっている。敬語は使わない――それが、彼との間にだけ存在する暗黙のルール。
けれど、思わず口をついて出てしまったのだ。
その瞬間から、罰が待っていることは、美和子自身がいちばんよく知っていた。
「……」
言い訳を探す前に、真樹が静かに一歩引いて、美和子の全身をゆっくりと見下ろした。
シルクのスリップとローブ――
体のラインを淡く浮かび上がらせ、まるで光を纏っているかのような姿。
「……敬語はだめだと言ったはずだ」
甘い声なのに、どこか意地悪。
まるで楽しんでいるかのように、真樹の目が細くなる。
そのまま、顎に指を添えて顔を上げさせる。
美和子は、一瞬だけびくっと体を強張らせた。
「怖いか?」
「……っ」
答えられない。
真樹の瞳の奥に、優しさと意地悪と、支配欲のようなものが渦を巻いている。
そのすべてを、美和子は知っていた。
そして抗えないことも――すでに、体が覚えてしまっている。
「美和子…あんまり、俺を困らせるなよ」
そう言って、真樹はローブの胸元に手をかけ、
ゆっくりと、丁寧に、けれど容赦なく結び目を解いていく。
さらりと落ちたローブの下、薄く透けるスリップの中に浮かぶ身体の起伏。
真樹は満足そうに息をついた。
「敬語、使ったよな?」
その問いに、美和子は首を横に振ることすらできなかった。
ただ、頬を赤らめて、目を逸らすしかない。
「うん、じゃあ——」
真樹は美和子の肩に手を添え、ソファへとそっと押し戻した。
その指先が滑るたびに、シルク越しに伝わる熱が、肌をじわじわと焦がしていく。
「今夜は……きつめに“お仕置き”だな」
唇が、鎖骨に、肩に、スリップの縁に、そっと触れるたびに、
美和子の体はひくり、と甘く反応した。
逃げられない。
――いいえ、逃げたくないのかもしれない。
女としての自分が、こんなにもむき出しにされ、
それでも愛されているという感覚に、心の奥が震えていた。
その言葉が、美和子の唇から零れ落ちた瞬間、
真樹の目がすうっと細くなり、口元にゆるやかな笑みが浮かんだ。
「へえ……今、何て言った?」
耳元で低く囁くその声に、背筋がぞくりと震える。
わかっている。敬語は使わない――それが、彼との間にだけ存在する暗黙のルール。
けれど、思わず口をついて出てしまったのだ。
その瞬間から、罰が待っていることは、美和子自身がいちばんよく知っていた。
「……」
言い訳を探す前に、真樹が静かに一歩引いて、美和子の全身をゆっくりと見下ろした。
シルクのスリップとローブ――
体のラインを淡く浮かび上がらせ、まるで光を纏っているかのような姿。
「……敬語はだめだと言ったはずだ」
甘い声なのに、どこか意地悪。
まるで楽しんでいるかのように、真樹の目が細くなる。
そのまま、顎に指を添えて顔を上げさせる。
美和子は、一瞬だけびくっと体を強張らせた。
「怖いか?」
「……っ」
答えられない。
真樹の瞳の奥に、優しさと意地悪と、支配欲のようなものが渦を巻いている。
そのすべてを、美和子は知っていた。
そして抗えないことも――すでに、体が覚えてしまっている。
「美和子…あんまり、俺を困らせるなよ」
そう言って、真樹はローブの胸元に手をかけ、
ゆっくりと、丁寧に、けれど容赦なく結び目を解いていく。
さらりと落ちたローブの下、薄く透けるスリップの中に浮かぶ身体の起伏。
真樹は満足そうに息をついた。
「敬語、使ったよな?」
その問いに、美和子は首を横に振ることすらできなかった。
ただ、頬を赤らめて、目を逸らすしかない。
「うん、じゃあ——」
真樹は美和子の肩に手を添え、ソファへとそっと押し戻した。
その指先が滑るたびに、シルク越しに伝わる熱が、肌をじわじわと焦がしていく。
「今夜は……きつめに“お仕置き”だな」
唇が、鎖骨に、肩に、スリップの縁に、そっと触れるたびに、
美和子の体はひくり、と甘く反応した。
逃げられない。
――いいえ、逃げたくないのかもしれない。
女としての自分が、こんなにもむき出しにされ、
それでも愛されているという感覚に、心の奥が震えていた。