花嵐―はなあらし―


今まで、数々の恋愛に失敗してきたわたし、月島涼花、25歳、現在は彼氏無し。

中2の時に両親が離婚し、母親と二人での生活になったわたしは、当時母からの愛情に飢えていた。

しかし、母はわたしではなく、次々と変わりゆく彼氏なのか、セフレなのか分からない男性にばかり愛を向けていて、そんな母を見て育ち、自分の居場所を失ったわたしは、早く自分の居場所を作りたくて、愛に溢れた温かい家庭を築くことに憧れを抱いていた。

たった一人の誰かに愛されたい。

それだけなのに、恋愛というものはなかなか上手くいかなくて、今までお付き合いしてきた人たちには、二股をかけられたり、浮気をされて捨てられたり、既婚者だと隠されていたり、、、そんなことばかりだ。

一途にたった一人の人を愛し続けるって、難しいことなのかな。

真実の愛なんて、存在しないのかな。

"愛情"というものに飢えていたわたしは、「好き」だと言われてしまうと、すぐ相手を好きになってしまう癖がついていて、それで失敗ばかり、、、

"好き"って何だろう。

"愛"って何だろう。

恋愛に失敗する度にそう思っては泣いて、わたしは何の学習もしていない。

わたしって、馬鹿だなぁ、、、

分かってはいるのに、心の傷を癒す為に恋をしては、また傷を増やす羽目になって、同じ失敗を繰り返すわたしは、恋愛なんてしない方がいいのかもしれない。

愛に溢れた温かい家庭なんて、築くのは無理に等しい幻想なのかもしれない。

それでもわたしは愛されたくて、また誰かに恋をする、、、

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