響け！月夜のアジタート

「お前の兄さん、毎度思うが仕事早すぎんだろ」

「フフッ。兄さんに伝えておくよ」

レオンハルトとアントーニョの顔には最初笑みがあった。しかし、資料を読み進めていくにつれてその顔はだんだん険しいものになっていく。

「おいおいこれって……」

「……ああ」

レオンハルトは杖を取り出す。そして呪文を唱えた。白いフクロウがまた姿を現す。フクロウにレオンハルトは言った。

「オルハンとカナタを呼んできてほしい」

フクロウは一度鳴き声を上げた後、レオンハルトの元から飛んでいく。レオンハルトは資料を読んでいるアントーニョに言った。

「事態は一刻を争う。今夜、メグを救出しよう」

レオンハルトはそう言った後、誰かに手紙を書き始めた。