響け!月夜のアジタート
少女が息を呑む。その大きな瞳が潤んでいく。レオンハルトはそれを「美しいな」と思った後、マリヤを見つめた。彼女は肩を大きく動かして息をしている。

「何をごちゃごちゃ話している!!そんな下等生物に構うな!!」

その言葉にレオンハルトの目から光が消える。彼は「失礼するよ」と言い、片腕で少女を抱き上げた。

「えっ?あ、あの……!」

戸惑った様子の少女に「しっかり掴まっていなさい」と言い、レオンハルトは地面を蹴る。魔法を使って宙に浮いた。

「モルテ!」

マリヤが魔法を放つ。黒い光線が次々とレオンハルトに向かって飛んできた。少女が強く目を閉じる。レオンハルトは驚くことなく光線たちを見つめていた。そして、呪文を唱える。

「グローム!」

レオンハルトが呪文を唱えると、天井から轟音を立てて雷が次々と落ちてくる。雷は光線を打ち砕き、マリヤに降り注いだ。

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

大きな悲鳴を上げ、マリヤが舞台の上に倒れる。会場が一瞬にして静まり返った。
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