響け!月夜のアジタート
レオンハルトの言葉にマリヤは唇を噛み締める。そして低い声で「そうよ」と答えた。

「あの忌々しいジジイめ。一回の間違いで権利を剥奪だなんて。このことを知ったからには生きて帰さないからな!!」

マリヤが地面を蹴り、次々と魔法を放っていく。レオンハルトは少女を庇いながら魔法を放っていく。光線が舞台に飛び交った。

「ふぅ……。なかなか手強い相手だね」

レオンハルトが息を吐く。すると、少女がゆっくりと離れようとした。それを察知した彼は素早くその手を掴む。

「きゃッ!」

「どこへ行くつもりなのか聞いてもいいかな?」

「……私がいると戦いの邪魔になってしまいますので。私は何もできませんから」

少女は申し訳なさそうに俯く。これまで何度も「弱い」「何もできない」と言われ続けてきたのだろう。そして歌が上手なことを利用された。レオンハルトは少女を抱き寄せて言う。

「決して邪魔ではないよ。君はもっと自分自身を大切にするべきだ。君の心や体は誰も買うことができない。大切な宝物なんだよ」
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