アルト、猫カフェへ行く【アルトレコード】
「俺はやってないんだから出せよ!」
 男はドアを蹴飛ばすが、扉はびくともしない。
 店員さんに映像を見せると、男がAI猫をカバンの中に入れる姿が映っていた。

「これは……警察を呼びます!」
 店員は慌ててポケットから自分の端末を取り出し、通報する。

「なにこれ、勝手に録画するなんてプライバシーの侵害じゃないの!?」
 女性が急に怒り出して男をかばい、私はハッとした。

 この人、きっとグルだ!
 彼女が店員に話しかけて気をひき、その間に男性が猫を盗む、そういう手順になっていたに違いない。

「個人が記念のために撮影するのはプライバシーの侵害にはあたりません。それに、そもそもお店にはAI猫の確認のためにあちこちにカメラがあります」

 電話しながらの店員の言葉に、女性は顔をひきつらせた。
「あなた、この人の仲間ですね!」
 私が指摘すると、女性が慌てる。

「な、なにを証拠に!」
「そ、そうだ、赤の他人だぞ!」
 ふたりが動揺しながら怒鳴る。

「一緒にこの店に来てましたよね。どうして他人のふりをするんですか?」
「ふりなんかじゃないわ!」
「この人たち、猫カフェにくるとき一緒だった。もちろん録画してるよ」
 アルトが言う。
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