アルト、猫カフェへ行く【アルトレコード】
「……北斗さんがいいって言ったらね」
 最終奥義を発動すると、アルトはぱあっと顔を輝かせた。

「今すぐ北斗に聞いてくる!」
 アルトの姿はディスプレイから消え、私はため息をついた。

 さて、今回の北斗さんの答えはどうなるか……。
 アルトの旺盛な学習意欲に、北斗さんはOKしてしまうかもしれない。
 私はネットでアルトの勉強になりそうな猫カフェを探し始めた。



 数日後。
 私はアルトを端末に入れて研究所を出た。

 研究所の自動運転車(ビークル)に乗り、目的地を入力する。
『目的地は猫カフェ『ミネット』ですね。自動運転を開始します』
 音声の案内が流れ、車が静かにスタートする。

「先生、今日行く猫カフェってどんなとこ?」
 端末からアルトが尋ねてきて、私はにこっと笑みを返す。

「経費で行けることになったから、本物感のあるところにしたよ。大人の猫ばっかりだけど、そのほうが私は安心できるかな。子猫だと負担になるかもって心配になるから」

 子猫型だと体が小さい分、搭載できるAIが少なくなり、情報処理の過負荷で壊れてしまうときがある。修理にいったいいくらかかるかと思うと気が気でない。

「へえ。楽しみ。本物の猫が混ざってたりして」
「そんなことになったら大問題だよ。ああ、でも、たまに猫カフェに飼いきれなくなった本物の猫を置いて行く人や、AI猫を盗もうとする人もいるらしいの」

「そんな人がいるんだ」
 アルトは目を丸くした。
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