アルト、猫カフェへ行く【アルトレコード】
「ああ、お猫様が……」
 思わずつぶやくと、
「お猫様?」
 アルトに聞かれ、私は恥ずかしくなった。

「えーっと、猫が好きな人はこう言ったりするのよ」
「そうなんだ」
 アルトは興味津々で答える。

 私はアルトに猫が見えるように端末を常に彼らに向けているが、猫を撮影する人が何人もいるので、私のこの行動は不自然ではないようだ。
 じゃらしを借りて猫をじゃらしたり、寄って来てくれた猫を撫でたり。
 別メニューの疑似餌を買って与えたりして、あっという間に時間は過ぎていく。

 一言で言って、楽しい。
 けど、果たしてアルトの勉強になったのかは謎だった。
 やっぱり研究所でペットAIを借りたほうが勉強になったんじゃ……という気がしてならない。

「私、休憩に入るね。ひとりになるけど大丈夫?」
「大丈夫、猫たちにも異常はないし」
 店員の会話が聞こえ、ひとりが店の奥に消えた。
 私は時計を確認すると、アルトにこそっと話しかけた。

「そろそろ帰ろうか」
「えー?」

「もう二時間も経ってたのよ」
「そんなに?」
 アルトは驚いて聞き返して来た。

「時間が経つの早いね。楽しかった?」
「うん。図鑑やVRで見るのと違ってた」
 アルトはにこにこと答える。
 と、そのときだった。
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