さよならを言えるまで
第一印象
早くして。

え??

早くタクシー呼んでよ。
携帯電話持ってるんでしょ?!

はい。

何かわからないまま、携帯電話を取り出してタクシー会社に電話した。
何台?何処へ?
頭の中には何の用意もなく、その不機嫌な顔の男を見ると、私の気持が伝わったのか…

二台!嵐山まで!

そのまま電話の向こうに伝える。
電話を切ると、その男は私のボスの隣に立って、アメリカからの先生と談笑していた。
ボスが私を呼んだ。
すまんすまん、来てそうそうに。
こちらが小田切先生。タッカー先生のお弟子さんや。

はじめまして。澤田です。

はじめまして。小田切です。タクシーどうだった?

はい。あと五分程で到着するそうです。
そ。

その短い返事だけでその男は私の存在を無視してタッカー先生と話し始めた。

ムカつく…
なんやの??こいつ。

そぅ、それが私の彼に対しての第一印象だった。
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