さよならを言えるまで
大キライ
ムスッとした表情がバックミラーに映ってる。

ホンマに嫌なやつ

心でつぶやきつつタッカー先生との会話をつなげる。
嫌なコイツとは対象的にタッカー先生はアメリカ人らしくユーモアあふれる会話で私を楽しませてくれた。

と、突然そいつが振り返って

君、秘書のくせに英語上手いね。
おかげで僕が相手しなくて良いから楽だよ。

カチーン…

頭の中でホンマに鳴った…

何様なん??

初めて見た時に、顔が好みのタイプと思って、ちょっとウキウキした気持ちになった自分を消去したかった。

タッカー先生は私の顔が強ばったのが分かったのか、耕介がなにを言った??、と心配そうに聞いてきたが、私は、作り笑顔で、別に何も。大丈夫ですよ。と答えた。
そう答える私とミラー越しに目があったソイツに向かって、大キライ、と口パクしてやった。

ホンマに大キライ…
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