オリーヴィア様は薔薇が好き。
夜会の不機嫌な薔薇の花
***
「おおっ、オリーヴィア様。今宵もなんと麗しい」
「真紅のドレスがよくお似合いです」
「まさに薔薇の花!美しい花々の中にあっても一際輝いていらっしゃる」
「まあ嬉しい。わたくし、薔薇が大好きなの」
「では今度、薔薇の花束を贈りましょう。オリーヴィア様の魅力には劣りましょうが、素晴らしいものを見繕ってまいります。私からの贈り物、受け取ってくださいますか?」
「もちろん。楽しみにしておりますわ、侯爵様」
殿方の心を掴む愛らしい笑顔でニコリと微笑むオリーヴィア様。
ええ、ええ。
もっと褒め称えてくださいませ殿方の皆様。私がお仕えするオリーヴィア様は、今宵も最高なのです。
我が国の美人の三条件である「目映い金髪」「白い肌」「青い瞳」の全てを備えていらっしゃるオリーヴィア様は文句なしの美人です。
その貴重な御髪やお肌を毎日丁寧にお手入れするのがお仕えする私の役目であり、生き甲斐でもあります。
なのでオリーヴィア様がお褒めにあずかると私まで嬉しくなってしまうのです。
ふふふ。どうです?
綺麗なうなじがよく見えるでしょう?
わざと御髪を高く結い上げたのですよ。
殿方を魅了する真紅のドレスと合わせて色っぽさを出したかったのです。頑張りました!
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